2021/08/31
スポーツ障害~野球肘

夏の甲子園が無事終わりましたね。
昨年度は新型コロナウイルスの影響により開催が出来ず2年ぶりですね。


泣いても笑っても高校3年間しか挑むことができない甲子園、この活躍の場が出来たことに嬉しく思います。
その中で今回は名前の通り野球に多いスポーツ障害を紹介します。

野球肘


野球肘は成長期の野球投手に多く発生する投球過多、オーバーユース(使いすぎ)により起こる肘の代表的スポーツ障害です。
投球での肘の痛み、肘の曲げ伸ばしがしづらくなります。

原因

野球肘は名前の通り、野球によるスローイング動作、特に成長期のピッチャーに多く、オーバーユース(使いすぎ)により投球側の肘の内側、外側、肘頭に発生する投球時の疼痛が主症状であるスポーツ障害です。
徐々に発症する場合が多く、慢性化しやすいため肘の疼痛が出現したら注意を要します。投球動作の加速期は肘関節屈曲、外反、前腕回外位をとります。

○使いすぎ(1日の投球数が多いなど)

○筋力、柔軟性の低下

○投球フォーム(肘下がり、手投げ等)

上記の原因が野球肘を誘発する要因となります。

内側型


肘の内側部が投球動作時に回内屈曲筋によって牽引力が加わり、回内筋群や内側側副靱帯、尺骨神経がストレッチされ、内側に微細損傷が発生します。重症例では上腕骨内側上顆(肘の内側)が牽引力によって剥離骨折を起こします。

外側型


上腕骨小頭や橈骨頭(肘の外側)に圧迫力が加わり、骨の壊死、欠損、遊離体などの離断性骨軟骨炎が発生します。

後方型


減速期に肘伸展位で、尺骨肘頭に牽引力が加わり剥離や疲労骨折などの変化をきたします。

症状

内側型
明らかな肘内側の圧痛、腫張、投球時の肘痛、肘の可動域制限、時に小指側のしびれ感が出現します。

外側型


肘外側の疼痛に加え、ロッキング症状を呈することがあります。

後方型


肘後方の圧痛、投球時痛、ロッキング症状を呈します。

好発スポーツ


野球、、アメリカンフットボール、やり投げ
テニス

好発年齢


10〜16歳

治療


症状が落ち着くまで1〜2ヶ月は投球の休止を徹底します。骨変化が認められる場合は、3ヵ月以上のスローイング動作の休止が必要です。骨に変化をきたしている場合は、最低1-3年ぐらいのフォローアップが必要です。
アイシングを徹底した上で、肩、肘の投球の可動域の改善、筋力の強化、柔軟性向上を行います。
予防としてウォーミングアップ、クールダウンでの準備体操、ストレッチは必ずおこないましょう。

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